患者様向け情報

医療情報

当科における乳癌診療について

外科部長 田澤賢一

 

 乳癌は、国内で年間約5万人以上の方が患う疾患で、女性の固形癌では第1位、40歳以上の女性の約12人に一人の割合で発症します。近年、さらに増加傾向にあり、自己発見が可能な癌でもあり、早期の発見が期待されます。
 当科では、検診業務を含め、年間約1,200名以上のマンモグラフィーの撮影・読影を行い、フォロー症例も含め、年間約500例以上の乳房超音波検査を施行、年間約20-30例の乳癌手術を行っています。
 同側乳房に単発(一個)で、大きさが3cm以下であれば、積極的に機能温存手術としての乳房部分切除を施行、乳頭、乳輪を含めた乳房の温存に努めています。乳癌は近隣、特に腋窩(腋の下)のリンパ節に転移を来す疾患ですが、転移の有無にかかわらず、全例に腋窩リンパ節を全切除すると、同側上肢のリンパ浮腫(手のむくみ)が問題となります。そこで、ICG(イソジアニドグリーン)薬液とPDE(赤外線カメラ)を用いた蛍光色素法によるセンチネルリンパ節(見張りリンパ節)生検を行い、手術中にリンパ節転移の有無を判定、転移陰性症例のリンパ節郭清を省略する患者様へのやさしい手術を心がけています。
 術後残存乳房への再発予防として放射線治療を、周辺施設(上越総合病院放射線治療部、および黒部市民病院放射線科)と協力し行っています。
 近年、治療に難渋する局所進行乳癌症例に対しても、術前化学療法(Neoadjuvant chemotherapy、NAC)を積極的に行い、病理組織学的完全寛解(Pathological Complete Response、抗がん剤によりがん細胞が消失する状態)を目指し、きめ細やかな治療に心がけています。
 当院は、中小規模の一地方病院であり、年間多数の手術症例を抱える、High volume centerとは異なり、症例数は少ないですが、1例1例を丁寧に対応、同等の治療成績を維持するべく、日々努めています。
 “乳房にしこりかな?”と感じたら、お気軽に当科への受診をお考えください。お待ちしております。

 

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