研修を終えて

中腰で

2019年度基幹型研修医 北山 祥平

 無事2年間の初期臨床研修を修了することが出来ました.ご指導下さった先生方,職員の皆様ありがとうございました.2年前のみずみずしい気持ちが思い出されます.
 初期臨床研修の目的に知識の増加と手技的技術の向上がある点は疑いようもありませんが,もう一点,中途半端な状態に耐える力というのも医師が培うべき素養と感じました.医療の実際として,特効薬を使う,あっという間に体調は良くなり後腐れなく元の生活へ戻る,そのような華麗で一直線な医療は稀です.実際にはパッとしない,宙ぶらりんで曖昧な状況がしばしば経験されます.この曖昧な状況は人を不安にさせます.自分の行っていることが成果につながる苦労なのか,徒労なのか分かりません.暗中模索の状態です.我々研修医は圧倒的に不足した経験と生半可な知識から曖昧な事柄を具体的な意味をもつ事象に落とし込もうとする向きがあります.苦しむ人を早く助けてあげたいという純粋な気持ちからかもしれませんし,自分を安心させたいという側面もあるかもしれません.これはとても危険な考え方です.誤った方向へ走ってしまうかもしれません.一方で一流と呼ばれる先生方はこの舵取りが絶妙です.待つときは待つ,攻めるとき攻める状況判断に優れます.能力というより度胸や鈍感さといった類の性質かもしれません.人事を尽くして天命を待つ,その間のゆっくりと流れる時間,凪の時間の過ごし方を知っています.文学者の内田樹さんは著書「死と身体」の中でこの能力を「中腰で我慢する力」と表現されており,まさにその通りと思いました.指導医はみな中腰なのです.目先のことでおどおどせず,中腰で耐える.この中腰で我慢する力の大切さと難しさを学ぶことが出来たのは初期臨床研修の大きな収穫でありました.
 最後になりますが研修医という医師人生における多感な思春期を糸魚川総合病院の職員皆様の手助けのもと無事送ることができました.重ねて感謝申し上げます.また,忙しさに感けた私を献身的に支えてくれた妻,いつもニコニコ笑顔を振りまいてくれる娘に心より感謝申し上げます.

 

研修をふりかえって

2018年度基幹型研修医 渡邉かすみ

糸魚川総合病院の先生方、スタッフの皆さん、そして糸魚川市民の皆さん2年間お世話になりました。
カンファレンスで無言を貫き、救急外来で立ち尽くしていた2年前の自分を苦く思い出します。糸病では単科で解決できる症例がほとんどなく、昼食を食べながら他科の先生に質問し、偶然を装って隣に座り画像を一緒に見てもらう、気軽に幅広く勉強していける環境がとてもありがたかったです。
また、研修中に妊娠、出産という人生の大きな転機を迎え、できないことが増えもどかしい気持ちもありましたが、皆さんにまっすぐ応援していただき、無事に母となり、仕事に復帰することができました。
糸病での経験を基礎として今後とも励んでいきたいと思います。ありがとうございました。

(2020年4月)

 

このページのTOPへ
新潟県厚生連 糸魚川総合病院
〒941-8502 新潟県糸魚川市大字竹ケ花457番地1 TEL:025-552-0280/FAX:025-552-3819
臨床研修担当事務 somu4@itoigawa-hp.jp