社交ダンス物語 286 リーダーとパートナーの会話 27

コラム

 病院の講堂には、痛いお尻を押さえつつ、大あくびをしながら、ダンスの練習に挑戦する病持ち50代独身男女の姿あり。競技選手として往生際悪すぎ? 二人とも1曲も通して踊れません。(涙)ヨタヨタと椅子に座り込み、よもやま話をしています。

パートナー:「公務員にならなかったら、あなたは何になっていた?」
リーダー:「プロのダンサーだ。」
パートナー:「あなたの叔母さん(第260話)、ダンスで食べてゆくのは大変だって。」
リーダー:「叔母からきつく言われたよ。間違っても、ダンスのプロになっちゃダメよと。」
リーダー:「ところで今の中高生は、より現実的なものの見方をしているみたいね。全国の現役中学生、高校生500人に聞いた調査によると、就きたい職業ベスト1は会社員、ベスト2は公務員ですって。」
リーダー:「僕が子供の頃は、スポーツ選手に憧れたものだよ。」
パートナー:「お花屋さんや、ケーキ屋さんも人気があったわ。大学時代の同級生は、女医にならないならモナコ王妃になりたいって。」
リーダー:「昔の子は、夢があった。」
パートナー:「ところで、中高生が就きたい職業ベスト3は何だと思う? コロナ禍で、お医者さんですって!」
リーダー:「素晴らしい。」
パートナー:「お坊さん(弟)、コロナで頑張ってくれている医療従事者の皆さんは、ののさま(仏さま)に見えるってよ。」

 “ののさま”ですか、ありがとうございます。人間関係は、ほめてスムーズに。(笑)


☆未来へとはばたく生徒諸君へ。なりたい自分を目指して、夢を本気で信じましょう。

著者名 眼科 池田成子