社交ダンス物語 285 上級者のひみつ

コラム

 コロナでダンスのオンライン講座、JBDFラテンA級・奥原さとみ先生の講座を楽しく拝聴しております。奥原先生は筆者と同じ富山県出身で、先生のイメージはキュートなアジアンビューティー。沢山のいろんなダンサーを見てきたという奥原先生が、社交ダンスが楽しくなるコツを解析してくださっています。YouTubeの動画を見て、ワクワクしますね。ダンスのオンライン講座、奥原先生が解説なさるダンス上級者の3つの秘密、3つの驚愕の真実を、ここで紹介させていただきます。

その1、苦手なことはやらない。
 まじめに練習するより、不真面目な人の方が、ダンスがうまくなってゆくことがあるのだとか(えー そうなの?!)。中級者以上の競技選手は、得意なところ(ステップ)を生かして、苦手な所を排除すべきとのことです。自分たちチビ・ハゲの場合、サンバはどのステップも苦手です。
「それも、カットしましょう。」
サンバのレッスンで、うちのコーチャーから苦手なところを次々と排除されたら、最後に足型は何も残らなくなったという事実が…。(立っているだけ)なお、奥原先生は、得意なステップだけを短いルーティンにして、それを繰り返し踊ってゆくことはコンペで有利と述べておられました。得意なステップの繰り返しといえば、2000年プロフェッショナル統一全日本ダンス選手権大会、佐藤・川田組のサンバがインパクトあり。出だしから、いきなりリバース・ロール。「これでもか!」というくらい、決勝では最後までリバース・ロールを魅せ続けていました。(ステキ!)

その2、ごまかすのが上手い。
 失敗したら焦ってしまう人は、まだまだですとのこと。何かあっても大丈夫と、ドーンと構えているべし。競技会では、対応力の差が出るそうですよ。上級者はステップを失敗しても、腹が座っているそうです。ステップを忘れたり、失敗したら、その場で踊りを考える『ごまかし力』をつけましょうとのことでした。ちなみに、アマチュアの下級クラスでありながら、うちのリーダーには『ごまかし力』があります。かつて糸魚川の農業祭りで、糸病バンドの生演奏のもと、ソロダンスを披露しました。(第214話)リハーサルは前の晩だけ。よって本番では、ごまかしまくり。4方向から見られる競技会のフロアと、一方向からのみ鑑賞されるホールの舞台では別世界です。2LODで踊らざるを得ないので、本番で予期せぬことが生じます。その一例として、お客さまにスローアウェイ・オーバースウェイ(ピクチャーポーズ)を決めようとしたら、お尻を向けそうになりましたが、うまく立て直しました。(YouTubeでご覧下さい)

その3、いい意味で適当。
 言われていることを全部やろうとしてしまうのは、真面目な日本人がやりがちなことですが、それはダンスの邪魔になるそうです。いい意味で全体像をとらえて、後で細かいパーツを調節すべしとのこと。そうでないと、精神的に余裕がなくなり、ダンスにも余裕がなくなるそうです。奥原先生は、『無の境地』でダンスに挑みたいとのことですよ。今できることをシンプルに、いろんなことをやりすぎないよう注意しましょうとのことでした。

 最後にもう一度おさらいしましょう。ダンス上級者の3つの秘密とは。
その1、苦手なことはやらない。
その2、ごまかすのが上手い。
その3、いい意味で適当。
これはダンサーに限らず、お医者さんにも共通することなの?
「学会の時ぐらい、朝はゆっくり寝ているものだ。」
福岡の手術学会にて、知識を詰め込もうと早朝から会場でスタンバっていた自分は、うちのH教授からそう言われました。(第97話)お医者さんの世界もダンスと同じで、いい意味で適当が良いのかしら? でも、ちょっと待て! 医学も競技ダンスもアップ オア ドロップアウト。(第22話)そもそも自分のような下級ダンサーかつ下流ドクターが、ピラミッドの頂点に立つような人の言葉を鵜のみにして安心していたら、痛い目にあってしまいそう!!(涙…涙)


☆まずは、上級者を目指しましょう。(笑)

著者名 眼科 池田成子