コロナで外食は控えて、おうちごはんを楽しんでいるという方は、大勢いらっしゃると思われます。皆さまのご家庭での食卓には、どんなお料理が並んでいますか? ピザにパスタ、グラタンにハンバーグ、カレーにポテトサラダ? コロナでバターが品薄だったようですね。横文字でカロリーの高そうなお料理も魅力的です(笑)。私は今、煮物にハマっています。筑前煮や煮魚など。冬瓜(とうがん)や南瓜(かぼちゃ)の煮物も好きです。スーパーのお惣菜ではありませんよ。自分で食材を選んで作ります。筆者が子供だった頃、食卓に煮物が出ると『えーっ また煮物!』と、内心ガッカリしたものでした。でも年を重ねるごとに、若い頃には分からなかった煮物の良さ、奥深さが分かってくるのですね。食卓に和の煮物がある光景は、ほっといたします。
煮物にまつわる話といえば、これはうちのリーダーから聞いたお話です。リーダーの実家は、新潟の豪雪地帯。物心ついた頃から、茶の間のテーブルの上にはいつも漬け物(たくあん、野沢菜)と煮物が置いてあったそうです。煮物はリーダーのおばあさん(第224話)のお手製で、いつ来客があっても良いよう準備されていたそうですよ。麩、フキ、ゼンマイ、ワラビなど山の幸。甘い煮豆もあったそうです。ご近所のおばあさん達と1日2回、午前(9時すぎから10時すぎ)と午後(2時から4時)に、お茶を飲みながら世間話をする習慣があったそうです。幼い頃のリーダーはおばあさんに連れられて、よそのうちのお茶飲みにも行きました。そこのおうちでも、漬け物と煮物が並び、時にはフルーツが出たそうです。当時の少年もかつての筆者と同じ、煮物には腰が引けていたそうですけど。(笑)
さて、煮物上手のリーダーのおばあさんは、こう語っておられたそうです。
「煮る前は、丁寧に手間をかける。でも、ナベに火をつけてからは、いじらない。かき回してはいけない。」
火の管理はするが、かまってはいけないということですね。仰せの通りです。煮物にまつわる自分のお話をいたしましょう。
「成子、焦げないように見ていて!」
煮物に火がかかっている時に、突然の来客があり。当時の自分は小学4年生。焦がしてはいけないと、母が台所から離れている間、しゃもじでひたすら煮物をかき回していました。
「キャー!」
戻ってきた母の悲鳴が…。お正月用の黒豆は、見事に皮がむけていました。(涙)
話をダンスへ。
「女子をかまってはいけません!」
これはルンバのレッスンを受けている時、うちのリーダーがコーチャー(女先生)から言われている言葉です。ルンバで女子をロープスピニングさせた後、女子前進ウォークの際に、心配そうにうちのリーダーはのぞき込む傾向があるそうです。しかもダンス発達障害のパートナーがぐらつかないよう、リードしている左手は命綱。ボールルームダンスではパートナーを構いすぎると、リーダーのラインは崩れてしまいます。競技会では、男子が崩れるのはNG! 女子を歩かせて、自分はすっと立ってラインを見せなさいとコーチャーは指導。
「かまっちゃダメ!」
かまうなと言われても、かまいたくなる。彼の心理は分かりますよ。過去に苦い経験をしていながらも、ナベに火をかけた後、自分は煮物をかまっていますので。揺すったり、つっついたり、フタを開け閉めして中をのぞいたり、焦げないようかき回したり…。これ、全てNGでした。(苦笑)
☆ 煮物に限らず、必要以上にかまわない方が万事うまくゆく?
著者名 眼科 池田成子