読者の皆さま、糸病コラム『社交ダンス物語』をご愛読いただき、ありがとうございます。
「羞恥心のない者が文を書く。」
以前勤めていた病院の内科医師で、かつ作家である先輩はそう言っています。文才のない自分ではありますが(第146話)、皆さまに支えられて当コラムが2008年4月から12年以上継続させていただいていることに深謝申し上げます。さて、これからが本題です。ここで皆さまにご質問です。トイレのフタは、「閉める派」ですか? それとも「閉めない派」ですか? 私の場合、自宅のトイレのフタは流す前に閉めますが、公共トイレは閉めません。なぜって? 公共トイレのフタは、極力触りたくありません。(目には見えないけど菌はウヨウヨ。コワすぎっ!)それに、トイレは中が見えていた方が安心しますので。フタの開いている便座の方を選びます。フタを開けて「うわっ!」ってこと、ありますので。(苦笑)
新型コロナ時代、トイレを使うだけでコロナは感染するのでしょうか? フタの効果はいかに? トイレのフタ本来の目的は、便器の中への異物落下の防止、暖房便座の断熱性向上などがあげられます。東京医療保健大学の菅原えりさ教授(感染制御学)の研究によると、ノロウイルスが飛び散るかの実験では、フタを閉めても閉めなくても、便座には相当数のウイルスが飛び散ったとの結果でした。なお、イギリスのリーズ大学のM.H.Wilcox教授が行った研究では、トイレのフタを閉めずに流した場合、細菌が最大で25cmの高さで飛散したという結果でした。専門家の意見によると、新型コロナはおしりに付着しただけでは感染しませんが、おしりに付着したウイルスが口や鼻に入ることで感染する可能性があるとのことです。
公共トイレ、フタを閉めると次の人が触るなどの問題がありますが、水の飛散を警戒するという視点から、閉めた方が効果的と専門家は指摘しています。つまり衛生面では、フタを閉めた方が良いということですね。なお、新型コロナ感染予防対策として、トイレのフタは流す前に閉めるべきかに関しては、今のところ『感染』という医学的な影響に関する知見は得られていないとのことです。コロナ怖し。いずれにしても、トイレにフタがあるなしに関わらず、自分の身や人の命を守るためには手洗い、そして手指消毒が一番なのですね。ここで皆さまの手指衛生を、改めて推奨いたします。(第239話)
最後に、フタをするといえば、ボールルームダンスでは肝心なこと。自分が競技デビューして間もない頃(当時はF級)、選手の練習会でリーダーとタンゴを踊っている時に、東日本県別対抗(第156話)でご一緒させていただいたA級のN選手の奥さまから、かつて指摘されました。
「池田さん、フタをする!」
解説いたします。自分の場合、タンゴのクローズド・プロムナードで女子の腰は開いたまま。これはNG! 競技会では勝利の女神もといシャッジに、見放されてしまいます。自分を含むアマチュアC級以下(C級もステイタス?)の競技選手のパートナーさんへ。男性の腰を自分の右腰で、しっかりフタしてあげましょう(クローズドです!)。公共トイレの便器のフタのように、開きっぱなしでは、よろしくありません。風水ではフタを閉めることで、運気が逃げてゆくのを防ぐ効果があるとされています。ダンスもしかり。目指せ、ダンス昇級! フタを閉めて、次のラウンドへと勝ち上がりましょう。(笑)
☆公共トイレのフタ、コワいけど開け閉めするよう心がけます。
著者名 眼科 池田成子