社交ダンス物語 277 コロナでダンスは変わる?

コラム

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、5月の大型連休は外出自粛でした。緊急事態宣言が解除されても、コロナの影響は色濃く残ります。今や変わることを受け入れなければならない時代と言われています。その真っただ中に朗報が! JBDF関東甲信越ブロック、2020年後期ランキング競技会(ダンスの大会)の競技日程がネットで公表されたのです。開幕は9月6日の新潟県大会。一体いつになったらダンスが出来るの? 今年は無理かしらと思っておりましたので、後期競技会が公表されて心に光が差し込みました。でもTVではその同時期に、8月に開催予定の屋外スポーツの競技会中止のお知らせが報道されていました。(ダンスの試合、ホントにやるの?)

 ボールルームダンスのコンペといえば、10年以上あの光景を目の当たりにしてまいりました。早朝から体育館の開場を待つ100メートル以上にもわたる選手達の長蛇の列。(アンビリーバボー!)ダンスの衣装が入った巨大なキャリーケースを持ち、雨風そして寒い中も中高年の男女が1時間以上も立ち並んで待っているのです。(クレイジー!)開場と同時に選手達はなだれ込み、押し合いへし合い体育館の中へ突入。そしてアリーナの狭い選手控えのスペースに、我先にシートを広げて陣取りを始めます。(その有様、ゲリラのごとし)アスリート達は隣同士、肩がぶつかる距離。(密閉・密集・密接、まさに3密そのもの!)シートとシートの隙間なし。通路なし。選手控え室は歩く事もままなりません。場所取りを終えたら、リーダーさんは急いで選手受付へ。ここも、密集・密接、長蛇の列。アリーナに数少ないトイレも密集、長蛇の列。(とくに女子トイレ、恐るべし)なお、試合開始直前、選手達はフロアサイドで一斉に整列します。多い時は200組近く。ここも密集・密接、肩が触れ合う距離。そして肝心の試合では…。自分たちチビ・ハゲのような下のクラスは、試合中もフロアの中で対戦相手と密集・密接、ぶつかりまくり。そこは汗や唾、パートナー(女)の罵声が飛び散る所。(デンジャラス?)

 今や、いかなる状況においても、3密の環境を作らないよう啓蒙されています。5月の連休中は、韓国プロ野球が無観客で開幕されていました。審判もチアガールもマスクを着用していました。さすがに選手達は、マスクしていませんでしたけど。無人スタンドへホームラン、お客さんは球場の外で、スマホで観戦です。このご時勢、家族でも食事の時は離れて、対面はダメと強く啓蒙されています。では、ボールルームダンスのリーダーとパートナーは、どうやって踊ったらいいの? 秋のダンスの競技会は、公表されたものの一体どうなるのでしょう。アナウンサーやニュースキャスターと同じ、ダンサーも2メートル以上離れて、踊る直前にマスク外すの? 

 新型コロナウイルス感染予防対策として、3密の環境を作らずにボールルームダンスの競技会を継続させるために、新しい競技様式へと変わってゆくのでしょうか? たとえばリーダーとパートナー(男女)がソーシャルデイスタンスを保ちつつ、シャドーで踊らせてジャッジされるとか。でも、フロアで十数組のカップルが離れて一斉に踊ったら、ジャッジの先生はどの男女がペアか区別つかないし、後退でぶつかること間違いなし。(ギガキケン)これは現実的ではありません。そこでJBDF本部からダンス緊急事態宣言が発令されて、日本インターの決勝のごとく一次予選からソロダンス? 10人のジャッジに凝視されて、規定のフィガーを一組ずつ踊らされるってこと、あり? つまり、一次予選イコール決勝です。フロアは比較対照の世界ではなく、フィギュアスケートと同じ。技術点、演技構成点、ディダクション(減点)もあるの? ああ、変わることを受け入れなければならない今、ボールルームダンスはどう変わる? 


☆ドレスの石や羽、かつらが跳んでも減点になるの?(ムンクの叫びマーク!)

著者名 眼科 池田成子