社交ダンス物語 244 リーダーとパートナーの会話 21

コラム

 真冬の病院の講堂には、ダンスの練習に勤しむアラフィフ独身男女の姿あり。年寄りの冷や水? 雪国というのに、エアコン・オフ。しかもパートナーはタンクトップ姿。
『寒いの寒いの飛んで行けー!』 
ルンバのベーシックステップを踏みながら、二人はよもやま話をしています。

パートナー:「開業医さんは、患者さまが来ないと顔が青くなり、大勢いらっしゃると『えびす顔』になると聞くわ。雇われ医者(勤務医)の場合、その逆と言われるけど…。」
リーダー:「へえ、そうなの。ところで成子さん、今日は何人の患者さまを診たの?」
パートナー:「入院と外来合わせて、130人くらい。」
リーダー:「130?! それって、関東甲信越・競技ダンスの出場組数に等しいね。成子さんが、ひとりで診たの?」
パートナー:「そうよ。」
リーダー:「見落としや偏りなく適正な審査をするため、競技会では10人の先生によってジャッジされるけど、病院では成子さんひとりで大丈夫なの?」
パートナー:「?…!」


☆当院眼科は、医師一名で診療をしております。田舎の目医者、身を引き締めて前進します!

著者名 眼科 池田成子