社交ダンス物語 242 フロ派? シャワー派?

コラム

フロ派? シャワー派?
 

 寒くなってまいりました。エアコン・オフの病院の講堂にて、アラフィフ独身男女の自分達は、ダンスを通して青春真っただ中です。真冬といえども、パートナーはタンクトップ姿。ホットコーヒーで暖をとり、毎晩ダンスの練習に勤しんでおります。

 暖をとるといえば、入浴があります。先般TVニュースで放映されました。日頃から風呂につかる習慣のある高齢者は、介護が必要になるリスクが低くなるという結果を千葉大の研究グループがまとめたそうです。冬場に週7回以上風呂につかる高齢者と、週2回以下の高齢者を比較すると、7回以上つかる(毎日風呂に入る)高齢者は要介護のリスクが29%低くなるそうです。入浴が健康に良いことが、学術的に立証された訳ですね

 さて、現在住ませていただいているマンションの3階から5階の賃貸の角部屋へ引っ越して(第174話)、3年が過ぎようとしています。うちのお風呂場は見事ですよ。陽光の差し込む広い出窓、壁一面の巨大なミラー。何よりも素晴らしいのは浴槽です。広いんですよ。まさにキングサイズ!うちのマンションのお風呂場を点検にきた業者さん達は、声をあげて褒めてくれます。「これは素晴らしい!」と。(家主さま、ありがとうございます)

 ちなみに、自分は引っ越してから、うちのお風呂の浴槽につかったことはまだ一度もないんですよ。「えーっ!」「うそ?」「信じられない!」そう思われるでしょうけれど。毎日、さっとシャワーで済ませています。これも時間を捻出するため。医師にとって一番貴重なものは『時間』であると、友人の整形外科医は語っていますが、まさにその通りとうなずけます。仕事とダンスに家事、執筆活動に休日は親の介護、1日24時間じゃ足りません!

 実は、自分がシャワー派であるもうひとつの理由は、生命の危機を回避するためでもあります。仕事とダンスで疲れて、夜遅くに帰宅。イイ気分になった飲ん兵衛がゆったり湯船につかったらどうなるか、ご想像してみてください。お風呂でうとうと。お尻は浴槽の底をスウィングし、頭は湯船に沈んで鼻の穴にお湯が入ってまいります。
『苦しいっ!』
飲ん兵衛は、はっと目を覚まして、我に返ります。
『これではあかん…』
ダンスと同じ、崩れた体制を立て直します。しかし、じきにうとうと。するとまたブクブク沈み、飲ん兵衛の鼻の穴に容赦なくお湯が… これ、コワい実話です。(ムンクの叫びマーク)

 入浴が健康に良いことが立証されているとはいえ、飲ん兵衛にとってお風呂ほどキケンなものはありません。命あってのものだね。忘年会・新年会の季節です。気をつけましょうね。ところで、皆さまはお風呂派ですか? それともシャワー派ですか? うちのリーダーは、お風呂派だそうですよ。
「日本人なら、夏場でも熱いフロだ!」
彼はそう申しております。(笑)

 糸病コラム・社交ダンス物語、ご愛読いただきありがとうございます。今年も残りわずかとなりました。
「大晦日にはお風呂で、一年の垢を落としましょう。」
これは子供の頃、祖母に言われた言葉です。祖母と一緒にお風呂に入って背中を流し合ったあの頃が、懐かしく思えます。お風呂、それは美しい日本の文化だったのですね。新しい気持ちで新年を迎えましょう! 


☆よし、大晦日こそフロにつかるぞ!(笑)

著者名 眼科 池田成子