食事の前、トイレの後に手を洗うのは当たり前。でも、さらに高い次元において…
『あなたの手指衛生が、患者の命を救います。』
これは、当院の病院職員へのスローガン。検査室や診察室の入り口、各病室の入り口など院内の随所には、ジェル状の速乾性手指消毒剤のボトルが設置されています。なお、当院の看護師をはじめとする病院職員は、携帯用の手指消毒剤のミニボトルを常時身につけて業務に携わっています。
『2プッシュ 15秒』
そう表記された啓蒙ポスターが、院内に貼られています。手指をアルコール消毒する為には、15秒の擦り込みが必要であり、そのためには「ボトルを2プッシュした量」が必要となるそうです。
なお、病院全体が清潔・安全であるためには、職員のみならず患者さまの手指衛生も重要となってまいります。当院では患者さまに診察室へ入室していただく前に、ご面倒をおかけいたしますが手指のアルコール消毒をお願いしております。アルコールに弱く、皮膚消毒の際にアレルギーをおこされる患者さまもいらっしゃいますので、万全の注意が必要です。
「アルコールは大丈夫ですか?」
手指消毒をお願いする前に、問診で患者さまに安全を確認させていただいております。
さてここで、大切な患者さまの命をお守りさせていただく病院職員にとって、手指消毒には5つのタイミングがあるとされています。順に述べますと、
1) 患者さまと接触する前
2) 清潔/無菌操作の前
3) 体液に暴露された可能性のある場合
4) 患者さまに触れた後
5) 患者さまの周辺物品に触れた後
糸魚川総合病院の衛生管理は、万全です。ところで、当院で唯一『不潔なところ』といえば、どこが思い当たるでしょうか?
「それは、眼科の池田の手だ!」
ウケ狙いで勢いよく言ったところ、うちの眼科スタッフは笑い出すと思いきや、凍り付いた様子。(はずした!?)
病院内に限らず、どこにいても手指衛生は大切ですね。ちなみに、帰宅したら自分は真っ先に、殺菌と消毒を兼ねた薬用ハンドソープで手を洗います。さて、毎晩病院の講堂でリーダーとダンスの練習をしていますが、練習中に中座して、トイレに行くことがあります。トイレから戻ってきたパートナーに向かって、リーダーはコワい顔をしてこう言うんですよ。
「成子さん、しっかり手を洗ってきた?」
ボールルームダンスでは、男子と女子は互いの手を握ります。うちのリーダーの話によると、競技会やダンスパーティーで男子トイレに行くと、ぎょっとする光景を目の当たりにするそうです。××を触った後に、手を洗わずトイレから颯爽と立ち去る殿方の多いこと多いこと。(え” ホント?)そんな方に限って、フロアでは『紳士』に見えるというから、スゴい! ああ、ご婦人方。知らぬがホトケ?
☆『細菌』は『時限爆弾』。1個が2個に増殖するのに30分。1個が1億個に増殖するのに13時間30分。手指は清潔に保ちましょう。(笑)
著者名 眼科 池田成子