社交ダンス物語 206 顧客の視点

コラム

 夏、真っ盛り。お中元の季節です。皆さま、お世話になっている大切な方には何を贈られますか? 私は新潟・加島屋を贈っています。さけ茶漬は逸品! 手塩にかけて漬け込まれた脂の乗ったキングサーモン、ご飯の友として右に出る商品はないのでは? 受け取った方の笑顔を想像すると、送り手も嬉しくなります。毎年同じ品を贈っていると、さけ茶漬(大ビン)が順調に値上げされているのに気づきます。ちまたでは『実質値上げ』をしている商品が少なくない中、高品質を従来の姿のままお客さまに提供したいという加島屋のプライドと意気込みが伝わり、値上げに好感や潔さを感じます。

 とは言ってみたものの見栄っ張りの筆者、人に加島屋を贈っても自分の口に入るのは、糸魚川のスーパー(原信)で購入している2ビン298円のさけフレーク。ちなみにリーダー宅では、加島屋を家族で拝みながら食べているそうです。『実質値上げ』といえば、スーパーでお買い物をして実感いたします。昔ながらの板チョコはたいそう薄くなったなあと。(前は75gだったものが今は50g)子供の頃に食べていた馴染みあるクッキーやビスケットもミニチュア化しています。好んで購入していた某メーカーのシュウマイもそう。餡(具材)がぎっしりで蒸し器に6個入れるのがやっと。ぎゅっと押し込んで入れていたのが、今ではすぽっと入ります。小さくなってがっかりですが、値段据え置きは消費者にとってお財布にやさしい。その分の税金もかかりません。(ある意味妥協)

 衣類に関してはどうでしょう? 昔のモノは品質が良かったと思います。その一例にユニクロのパーカーがあります。10年以上着ても生地は丈夫、ほとんどよれていません。洗濯機に入れて100回以上は回したかと思いますが、袖や襟にほつれも見られません。(鬼のパンツと同じ?10年はいても破れない)それと対比させたくなるのが、昨今ダンスショップで販売されている吊るしの競技用・パーティー用ドレス(既製ドレス)。競技会場で手にして材質を確かめますが、数回着てクリーニングに出したら、ダメになってしまうのでは…。食品と違いドレスは減量できません。だからといって、値上げは痛い。競技選手はビンボーですので。でも、フロアで戦うなら高品質で見事な光沢の『ひさや』のドレスがいいっ!(自分は当面、298のさけフレークです)

 値上げか、減量か、質を落とすか…。『顧客離れ』を防ぐために、いずれのメーカーも模索し戦略を立てていることでしょう。そんな中、うちの病院はさらにその上をゆく? 食事療養費は全国一律で、どこの病院に入院しても一食につき640円です(保険証を提示していれば、患者さまの自己負担は通常一食260円)。原価を下げるため安価な給食用のお米が出回っている中、当院では新潟・糸魚川産のコシヒカリの中でも選別された特選米『ひすいの里』を使用しています。標高2000mを越える山々の雪解け水で育ったコシヒカリだから、粘りがあって美味しい。地元の美味しいお米を患者さまに召し上がっていただき、一刻も早く元気になっていただきたいという当院の願いが込められています。15年前、左足首を骨折してうちの病院に3ヶ月入院しましたが、一番の楽しみは給食でした。食べることは、生きる源。県外の患者さまもウエルカム。当院自慢のご飯を、さあ召し上がれ!さりげなくそこに『加島屋』が添えてあれば、ブラボー!!


★事務長さん、好きなことを書いてしまってゴメンナサイ。(笑)

著者名 眼科 池田成子