読者の皆さま、お知らせがあります。愛車ヴィッツRS(13年選手)は本年度の3月末をもって、ご老体のため引退いたしました。待ちに待った新車(同じくヴィッツ・色はイエロー)が、ようやく糸魚川へやってきました。海外のトヨタの工場でアクシデントがあり生産が追いつかなかったそうで、それまで代車をお借りしていました。(トヨタなのに、なぜか代車は三菱)。怖かったオートマ車に慣れたころ(アクセルを踏んだだけで走り出すなんて、コワくありません?)、マニュアル車への乗り換えです。一説によると、いまどきマニュアル車を好んで乗るなんて、奇人変人扱いされるとか。筆者が車を選ぶ基準は、乗っていて自分がワクワクするかです。『こまねずみ』のように小さくて小回りが利き、坂道をバリバリ登る車、サイコーにワクワクします。(笑)
さて、自動車メーカーの話によると、現代の若い人達は車離れしているとか。自分が医学生だった30年前を思い出してみました。人里離れたお山のてっぺんにある大学、車がないと通学できません。大学入学と同時に、自動車学校にも入校させられました。当時、同級生の男の子達の関心事といえば、何といっても車でした。好きな曲をカーステレオから流して、女の子を乗せてドライブするのが何よりの楽しみのようでしたよ。クーペが人気ありましたね。『デート車』という流行語もありました。(運転席の傍にあるレバーを下げると、助手席のシートがパタンと倒れる)。筆者が女の子だった太古の昔は、『男はイイ車に乗ってこそ!』『いつかはクラウン』という風潮がありました。時代は代わり、今では別に軽でいいという若者が増えているそうですね。
かつては若者達を中心に絶大な人気を誇った『車』、バブル後世代の若い人達にとっては、ただの移動手段に過ぎず。
「クルマを買うなんて、バカじゃないの?」
とまで言われているとか。(新車買って、ゴメンナサイ。車がないと、田舎じゃ生きてゆけません!)。時代の流れとはいえ、これは自動車メーカーにとって由々しき事態。無理してローンを組んでまで、新車を買う時代は終わりましたので。自分が学生時代、国産車で最も速いと称されていたスカイラインGTR(当時車体価格は450万)は、今やバブルの時代を謳歌してきたちょっと余裕のあるオジサン達ですら引いてしまう?(当時の倍値以上)
ところで、昨年10月に名古屋で開催された日本臨床眼科学会では、会場の野外展示場にアウディがラインナップされていました。ドクター(ステイタスにこだわるオジサン)をターゲットとした、自動車メーカーのマーケティング戦略ですね。試乗会もしていました。アンケートに答えたらコーヒーをサービスしてもらえるというので、コーヒー欲しさに自分も答えたら、アウディのミニチュアまで戴きました。それからというもの、アウディジャパンから続々と見積書(頼んでもいない)や特別試乗会と書かれた案内状が、自宅へ送られてきます。さすがアウディ、洗練された美しきフォルム、憧れの高級車です。でも車屋さん、うちの病院のおじさん達(ベテラン医師)はこう言っています。今どき車に300万以上かけるのは、よほどのマニアだって。ちなみに、自分は学会でいただいたアウディR8スパイダー(車体価格2500万)のミニチュアをお部屋で眺めて、ニンマリしている次第です。
車から学ぶように、時代の変遷と共に価値観は大きく変わってまいりました。自分の親が若かりし頃は、ダンスホールに行くことが楽しみだったそうです。昭和30年代のダンスホールは、10代、20代の若者達で溢れていたそうですよ。昨今のダンスホールにおいては、アラフィフの自分達よりも若いと思われるお客さんを見つけることすら困難な状況。近年、『絶食男子』や、男か女かわからない若者達が増えているそうですね。社交ダンス(ボールルーム・ダンス)では、いかに男は男らしさを、女は女らしさを表現するかが追求されます。現代の若者達に、それを期待するのは無理? もはや社交ダンスは、激動の昭和の時代を生き抜いてきたグランドシニア、スーパーシニア達の密やかな嗜みでしょうか? 都内のダンスホールの女子トイレには、さりげなく『尿もれマット』が置かれていました。かつては若者達を中心に絶大な人気を誇ったダンスホール、自分達が定年をむかえて第三の青春を謳歌しようと思う頃には存在しているでしょうか? この世の享楽とは、まさに春の夜の夢のごとし…
★『今』が大切。老いも若きも、今を楽しみましょう!(笑)
著者名 眼科 池田成子