社交ダンス物語 178 IMAGINE

コラム

 自分にとっては、良き祖母。しかし、嫁である母にとっては口うるさい『天敵』。同居している姑と口論になると、最後は自分が折れていたという母は、ストレスがたまる一方。ある日、かかりつけ医に相談したそうです。するとその先生は、こうおっしゃったとか。
「お姑さんを、お猿さんと思いなさい。そう思えば、相手から何を言われても、腹も立ちませんよ。」

 さて、競技会場ではリーダー・パートナーがダンスをめぐって激しく口論しているのを耳にします。ダンスは2人の共同作業。喧嘩になると、メンタルな部分が踊りに出て、成績に影響しかねません。ダンス雑誌のレッスンDVDで、元ラテンチャンピオンの和田恵先生がこう語っておられました。リーダーと喧嘩になったら、相手を『動物』と思うようにしているそうです。和田先生の場合、面長なリーダーの大村先生は『お馬さん』とか。

 「喧嘩は時間の無駄」、「効率が悪い」、そう分かっていても、コーチャーから言われたことが出来ないリーダーに、イライラすることがあります。そんな時、うちのリーダーを『ワンコ』と思うようにしています。うちのワンコは、かわいいワンコ。パートナー(ご主人様)から叱られたら、キュィンと鳴いてさみしげな表情。練習前におやつをちらつかせると、嬉しそうに『お手』はするし『待て』もできます。

 競技ダンスのパートナーさんへ、踊っている時にトラブルが生じて、相手と口論になることもあるでしょう。そんな時、憤りを抑えるひとつの対策として、お相手を『動物』とイメージされてはいかがでしょう?「お猿さんが歯をむき出して、キーキー叫んでいる」「ワンちゃんが強がって、キャンキャン吠えている」そう思えば、『平静の心』でダンスの練習が出来るかもしれません。


★リーダーさんへ、ひどいこと言ってごめんなさい。でも、パートナーさんにとって、あなたが一番!(笑)

著者名 眼科 池田成子