社交ダンス物語 168 2016年の抱負

コラム

 皆さま、明けましておめでとうございます。お正月は、いかがお過ごしでしたか? 昨年は立ち退き騒動(第166話)がありましたが、無事新年を迎えることができ、こうしてエッセイを書かせていただけたことに感謝しております。お陰さまで、自分は新たなる住処を見つけることができました。同じマンションの上の階のお部屋です。お部屋の窓からは、新幹線が見えるんですよ!田舎人にとって、こんな名誉なことはありません。引っ越しも楽で、ほっとしているところです。

 さて、一昨年の大晦日は、病院の当直代行を担っておりました。(第143話)今年は1月2日に当たりました。うちの病院のお正月の当直当番は『くじ』ではなく、病院側(総務課)の采配で決められます。大晦日と元旦と2日の当直当番は、毎年恒例のように筆者と内科のM先生とK先生の3人に回ってきます。「ドクターは他にもいるのに、またワタシ?」と、M先生は当初ブツブツ文句を言っていましたが、今ではお正月の糸病の当直はご自分の『天命』として真摯に受け取っておられます。K先生に関しては、『悟りの境地』に達せられました。ちなみに、筆者を含める3人のドクターに共通する点は、『アラフィフ・独身』です。

 共通点といえば、自分とうちのリーダーに共通することは、『酒』と『ダンス』をこよなく愛すること。ありがたいことに、筆者がお酒好きとお知りの方からワインを戴くことがあります。正直申し上げて、送り主様からの可愛いラッピングを開ける時、コワくて自分は身構えてしまうのです。中にピンク色の液体が入っているのではないかしらと。ロゼや桃のワイン、桜のワインに苺のワインといった。筆者と同じ『左党』の方なら、「うん、うん、わかる!その気持ち。」とうなずいていただけると思います。ピンク、それは甘ーく切なく危険な香り。一口のんだら、毛穴が開く?(涙)

 ここで、ピンクにまつわるエピソード。競技ダンスを始めて、最初に着たドレスの色です。スタンダードはコーチャーから譲り受けたベビーピンク、ラテンはショッキングピンクのドレスで踊りました。自分には何色が似合うかコーチャーにたずねたところ、『ピンク』と指定されましたので。ピンクは自分には絶対に似合わない色と避けて、競技を始める前は黒やグレーなど渋い色を好んでいました。そんな筆者もダンスを契機に、今やピンクは自分のイメージカラーとして、髪飾りやバッグなどに取り入れています。
「先生、ピンクのアイシャドーがとてもお似合いですね。」
患者さまから褒められて(お世辞?)、眼科医は有頂天(笑)。ちなみに、東洋人の黒い瞳には、赤やピンク系のシャドーが映えると思いますよ。

 とりとめのないお話になってしまいました。本題にもどります。2016年の抱負は、ダンス昇級はもちろんですが、苦手意識を克服すること、そして今までに経験したことのない新しい事にも挑戦してみようと思っております。昨年度は北アルプス登山に挑戦して(第158話・159話)、執刀医としてのあり方、心構えを再認識させていただきました(第163話)。人生は死ぬまでの暇つぶしという金言もありますが、人生は死ぬまで勉強でもあります。読者の皆さま、陸の孤島こと糸魚川総合病院ならびにチビ・ハゲカップルに、本年度も変わらぬご愛顧を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

著者名 眼科 池田成子