登山歴なしの筆者、このたび夏山登山を勧めていただきました。何で今さら山のぼり? しかもお坊さん(弟)と? そう思いましたが、ボールルームダンスの競技選手には、兄妹カップルや姉弟カップルが活躍しています。そう考えれば、姉弟ペアで山頂を目指すのも、ちまたではごくフツーの『修行』なのでしょうか?
靴を用意するようにとのこと。はじめて社交ダンスのサークルに顔を出した時のことを思い出します。「シューズ持参」といわれ、足を骨折していた時に履いていたリハビリ用のズックを持参して行ったら、サークルの皆さんは目が点になっていました。(ダンス物語・第1話)そこでお坊さんに、山登りの靴はスニーカーでよろしいですかと確認したところ、いけませんとのこと。登山靴が必要とのことです。(わらじと指定されなくてよかった。ほっ)
登山用品店にて、自分は登山の知識や経験はありません。どんな装備で山登りに臨んだら良いか全く分かりません。そこでお店の人に聞いて、靴を選んでもらうことにしました。
若い男性の店員さんをつかまえて。
パートナー:「あの…登山靴を購入したいのですが…。登山は初めてです。」
お店の人:「どこの山に登られるご予定ですか?」
パートナー:「?? 長野の山だそうです。普通の山だと思います。」
お店の人:「……。」
ダンスも然り、『靴』は『命』とのこと。そこでサロモンの新作、超軽量パープル色のスタイリッシュな登山靴を購入しました!(笑)登山用品は、結構お高いのですね。競技ダンス同様に、お値が張るスポーツと勉強いたしました。ちなみに、登山ズボンはいずれのメーカーも、Sサイズでも大きすぎ。試着したら、ズボンが腰からずれ落ちてしまいました。お店の人によると、外国製品なので日本人には大きいのだとか。仕方ないので、ズボンだけ普段ダンスの練習で使っているもの(ブーツカットスパッツ)で間に合わせることにしました。
日時は、8月2日の早朝5時。集合場所は糸魚川インターの駐車場。その日は幸運にも快晴です。
「登山で、すその広がったズボンをはいている人なんていないよ。」
姉を見て、弟は唖然としている様子。ザックから、長さが自在に変えられる二対の杖のようなものを取り出しています。
姉:「何? それ。」
弟:「トレッキングポールだよ。ところで、水は2リットル以上持った?」
姉:「……!!」
目指すは唐松岳山頂(標高2696m)。北アルプス入門にぴったりの山と言われているそうです。お坊さんホトケ顔でいわく、途中でドロップアウトしても、50万でヘリの『ご来迎』が拝めるとか…(おぶってくれないの!)。初心者マーク、もとい仮免許なしの姉は、無事山頂まで到達することができるでしょうか? (つづく)
著者名 眼科 池田成子