社交ダンス物語 153 見えない敵

コラム

 気温が上がり汗ばむこの季節、ニオイが気になりますよね。TVのコマーシャルにおいても『除菌』や『消臭』に関するものが多く見られます。この季節は洗濯物やお部屋のニオイに敏感になります。私自身、ファブリーズやカビキラーは必需品。出勤前に、毎朝シュッシュしています。うちのお風呂はカビなし、カビ臭もなし、ピカピカです。気がつけば、いつしか自分に移り香が…。読者の皆さま、『カビキラー臭のする女』って、コワいでしょうか?(苦笑)

 『ニオイ』は、数多くのエリートや、できる男たちを見続けてきた銀座の美人ママが語る“出世する男”に共通する5項目の1つ。銀座のママいわく、できる男は自分の匂いに敏感なのだとか。匂いに敏感ということは、相手への気遣いができるということに他ならず、また、臭くないということは自己管理がしっかりできているという意味として取れるそうです。目に見えないものに気を配れるか、というもの、上に立つ人の資質としてとても重要なのだそうです。

 上に立つ人といえば、先般開催された新潟県選手権大会でのこと。ラテンアメリカン選手権を踊り終えて(第151話)、選手控え室にいる自分達に、A級のK選手が笑顔で話しかけてくれました。自分達のような下のクラスの者に上級選手が話しかけてくださるなんて、感激!でも、それだけじゃないんです。二度、感激いたしました。汗が飛び散る熾烈な闘いの後というのに、K選手からは新緑や草原を連想する爽やかな香りがいたします。
「ああ、A級選手は違う… 」
自分達は鼻をクンクンさせ、ハピーな気分。(笑)

 さて、病院の講堂には、汗にまみれてダンスの練習に励む中年男女の姿あり。
リーダー:「臭いっ! 毎日洗濯しているのに臭いよ。自分の服から、ぞうきんや濡れた子犬の臭いがする。」
パートナー:「できる男(ダンス昇級)になるためには、ニオイと戦わなきゃ。ところで、ダンスシューズは大丈夫? 」

 リーダー・パートナー共に、汗で蒸れたダンスシューズを脱ぐ。そして互いのニオイをジャッジ。瞬時にして、ムンクの叫び!!(百年の恋も冷める?)ダンサーにとって、完全無臭は永遠のテーマでしょうか? 


★足が臭いのは、もはやオジさんの専売特許ではありません。うら若き乙女も、『見えない敵』と戦いましょう!(笑)

著者名 眼科 池田成子