読者の皆さま、たいへん嬉しいお知らせがあります。私たち、チビ・ハゲ組は、先般開催された関東甲信越競技ダンス茨城県大会・ラテンアメリカンC級戦にて、めでたく決勝に進出することができました。よって次年度から、うちのリーダーは念願のラテンB級へと昇級させていただけます。
カップルを結成して7年、『挑戦だけがチャンスを作る!(下手な鉄砲も数撃てば当たる?)』を理念とし、関東甲信越ブロックの競技会に自分達は出まくってまいりました。競技会出場料や交通費、宿泊費など、ダンス遠征にかかる諸費用は全て、リーダーが出してくれていました(男が出すのは、当然のこと?)。そこで、お祝いと感謝の気持ちを込めて、ささやかながらリーダー君をディナーにご招待することにしました。
パートナー:「今日は私のおごりよ!」
糸魚川市内の寿司店にて、リーダーは嬉々揚々としているどころか、借りてきた猫のように、ちーんとかしこまってカウンター席に座っております。
パートナー:「注文しないの?」
リーダー:「成子さん、僕は回らない寿司店に入るのは、初めてなんだ。注文の仕方が分からないよ。」
パートナー:「ある人のコラムにあったわ。高級寿司店デートで失敗しない、大人女子の注文の極意とは、『ワルツの法則』ですって。」
リーダー:「ワルツの法則?」
パートナー:「そうよ。安い、安い、高い。安い、安い、高い。この順番で、ワルツを踊るように一貫ずつ注文するのがコツだそうよ。」
寿司屋のカウンター席は、初心者にとって相当の緊張を強いられるものらしい。競技会のフロアも然り。筆者が競技ダンスのパートナーとして、リーダーにスカウトされデビューしたての頃、試合でフロアに立たされた時は心臓が飛び出るくらいドキドキして、カチカチに硬直し、頭の中は真っ白になったものでした。そして今、寿司屋のカウンターのショーケースを目前にして、同じく硬直状態のリーダー君がいます。高級寿司店のショーケースの中には、ラインストーンのように輝きを放っている見事な寿司種がずらりと並べられており、客の目を楽しませてくれています。店内には、価格表示なし。回らない寿司屋で注文をするのが初めてのリーダーは、競技会場でパソ・ド・ブレのポーズを構えて踊り出す直前のごとく、集中かつ緊迫した表情をみせています。彼の緊張がクライマックスに達したかと思われるその瞬間、第一声が発せられたのでした。
リーダー:「うに、トロ、いくらっ!」
パートナー:「……。それじゃ、ワルツが踊れないわ。」
リーダー:「成子さん、ショーケースの中の寿司種、どれが低い(安い)のか分からないよ。(笑)」
☆先日受けたワルツのレッスンによると、上体は常に、高い、高い、高い。そして放物線を描くように踊るのだそうです。リーダー君の注文の仕方は、正解でした(笑)。スタンダードも、昇級を期待しております!
著者名 眼科 池田成子