社交ダンス物語 137 ベストアンサー

コラム

 ニカラグワで熱病の研究・治療に励んでいた先輩が、うちの病院を訪ねてくるという。筆者に相談したいことがあるらしい。電話ではダメ、実際に会って話がしたいとのこと。

 発展途上国の失明原因の第一位は、白内障である。ニカラグワへ来て、白内障の手術をして欲しいと頼まれるのかと思いきや、相談事とは娘さんのことでした。先輩には娘さんが二人います。長女は結婚をして安定した生活を送っているという。一方次女は、結婚とご縁がなく40歳を迎えた。そのことがストレスで、彼女は鬱になってしまったという。奥様の方も、次女が結婚できないことが原因でヒステリックになり、 家庭では夫(先輩)に当たるという。

「日本の女性は、なぜ40歳を境に『女の賞味期限』と捉えるのか? 外国の女性は、年をとることにおおらかだ。年をとってからも結婚する。彼女達はむしろ、年を重ねることを楽しんでいるかのようだ。」
 先輩は、そう呟いている。このたび糸魚川を訪ねた目的は、娘さんと同じ40代女性であり、結婚と縁がなくても悠々とダンスを楽しんでいる筆者の意見を聞きたいとのこと。

 四十…? そういえば、40代の女医さんが嘆いていたっけ。高い会費制のお見合いクラブに入会しているけれど、40歳を境に紹介相手がぐっと減ったって。その女医さん、後がないとばかりに焦って、美人なのに暗い表情。でも、恋愛・結婚に、賞味期限はあるの? 人は、ハムやソーセージじゃないわ。世の中には「男」と「女」しかいないのですから、筆者の場合、現役中はムリでも、隠居の身になったら自由に恋愛や結婚生活を楽しもうと、わくわく胸を膨らませております。いつの日か助手席にステキな爺さんを乗せて、白髪をなびかせながらスポーツカーを乗り回すことが、20代の頃からの夢ですので。(笑)

 『いのち短し 恋せよ乙女 緑の黒髪 褪せぬ間に…』そう詠われた時代もあったけど、今や日本は世界トップレベルの長寿国。40でラインをひいたら、日本に6万人近くいると言われている100歳を超えるスーパーシニア達から笑われるかも。死ぬまで恋をしましょうね。そもそも独身でいるということは、iPS細胞と同じ、未知なる可能性を秘めていると言えるでしょ。独身は、次のステップへの充電期間。ひとりをくよくよせず、いろんなことにチャレンジして、今を楽しみましよう。前向きでいると、きっとあなたに運がむくはず!


☆ところで、「ありのままの自分」は、巷のキャッチフレーズですよね。お坊さまの説法によると、「ありのまま」とは、偏りやとらわれのない見方、執着のない心で目の前の事実を受け入れてゆくことだそうです。筆者はありのままの自分で、仕事とダンスを楽しんでおります。(笑)

著者名 眼科 池田成子