社交ダンス物語 126 COMPLAINING(苦情を言う)

コラム

 2014年春期関東甲信越競技ダンス茨城県大会、スタンダードC級は2次予選敗退。帰りの車中で、リーダーはパートナーから苦情を聞かされる。
パートナー:「糸魚川からはるばる茨城まで来たというのに、散々な結果だったわ。」
リーダー:「……。」
パートナー:「『死ぬまでロアーだ!』そう叫んで、私達をしごいてくれた元A級・中部ファイナリストの先輩、こう言っていたわね。『やるか、やらないかだ。地獄を見るぞ!』って。私達、まだ地獄を見ていないわ。」
リーダー:「……。」
パートナー「このままじゃ、昇級どころか降級よ!」
リーダー:「……。」

 パートナーからガミガミ言われても、リーダーは一切反論せず。『のの様』のような、穏やかな表情をして聞いている。そう、彼は職場では現在『苦情処理』を担当しているという。苦情があった場合、言い訳や反論をしてはいけないし、話をさえぎってもいけない。迅速かつ適切な処理が必要とのこと。
リーダーいわく、苦情処理の心得三か条
その一、 相手の話を最後まで聞く。
その二、 原因を追求する。
その三、 解決の姿勢を見せる。

 さて、今回の茨城県大会の前夜に、こんなエピソードがあった。遠征地の取手のあるお店で、おしながきの『即菜メニュー』を注文した。40分経過しても、即菜メニュー(枝豆)は運ばれてこないし、ビールも出て来ない。お店は大勢のお客さんでごった返し。テーブルに設置された呼び出しボタンを何度押しても、店員さんは現れず。
「大勢のお客さんで、大変ですね。時間が余りないので、先に注文したメニュー、準備がまだのようでしたらキャンセルしたいのですが…。」
通りかかった店員さんに、リーダーは穏やかな口調で話しかける。さすが、苦情処理係。『苦情』もスマートだ。(笑)

 
 苦情といえば、「眼科の診察、まだかい!」と、患者さまからクレームがくるのではないかと、ハラハラしながら筆者は診療をしております。患者さまの待ち時間を少しでも短縮するため、眼科医が診療時間中に尿意をもよおすことのないよう、「朝のコーヒー1杯まで」を実行しております。眼科外来を受診される患者さまには、たいへんご不便をおかけしております。患者さまのご理解とご協力を、お願いいたします。


☆「ビールと枝豆、まだかい!」40分しか待っていないのに、お店で大声を出すところでした。糸病眼科外来でお待ちの患者さまには、深謝しております。ところでリーダー君、パートナーからの苦情処理も、ヨロシクね。(笑)

著者名 眼科 池田成子