社交ダンス物語 116 JCF中部ダンス選手権大会

コラム

『チビで、ハゲているだろ』 『身の程知らず!』
 そう笑われても、おめでたい(?)リーダーは怖じけることなし。彼の持論では、格上の選手達と闘わせてもらうことで、自分達も強くなれる。(笑) 11月17日に金沢で開催される、内閣総理大臣認証NPO法人JCF公認、JCF中部ダンス選手権大会にエントリーする。

 当団体において、自分達の持ちクラスはスタンダードがB級でラテンはC級。今回の試合では、スタンダードB級戦はもうけられていなかったので、清水の舞台から飛び降りる覚悟で選手権に挑戦。ちなみにラテンは、持ちクラスのC級戦にエントリーする。会場は石川県立音楽堂交流ホール。金沢駅に隣接した施設で、ダンスの競技会場としては近代的でとても美しいホールだ。

 開けてビックリ、ラテンC級戦を申し込んだのは自分達だけ。つまり、対戦相手がいない。(これは滅多にないこと) 主催側のご厚意で、予定されていたプログラムに従い、一組のみのラテンC級準決勝が開始となった。自分達の背番号と名前がコールされて、フロア中央へと進む。5人のジャッジの先生がジャッジペーパーを持ち、フロアサイドで整列してくれている。ありがたくも、これは壮絶たる光景だ。緊張のあまり、笑顔どころかパートナー(筆者)は固まってしまう。踊り開始直前、司会席から会場にアナウンスが流れる。しかも、朗らかな声で…
「一組の選手しかおりませんので、踊った時点で優勝は確定しております。」
プログラムに従い、決勝ではもう一度踊らせていただいた。

 午前のラテンを踊り終えて、表彰式では立派な優勝の楯をいただく。(笑)JCF中部ダンス選手権大会では、プロとアマの両方の試合が同時開催されたが、さすがプロは違うと感銘! ルックスはもちろんのこと、迫力・スピード・キレ、そして観客へのアピール。プロの踊りには全く隙がない。自分達の踊りとは、月とスッポン別次元だ。午後にはスタンダードの選手権を控えていたのであるが、それすらも忘れて見とれていた。

 腹が減ってはイクサが出来ぬと、お昼は会場を抜け出して、金沢駅構内の飲食店で、にしんそばを食べる。筆者はおそばが大好き。温かいおそばの上に、麺が見えなくなるまで七味唐辛子を振りかけていただくのが、筆者流。少し食べたら、さらに追加で七味唐辛子をトッピングする。隣でそばを食べていたリーダーは、たまげている様子。(これって偏食女? ダンス物語112話) 

 午後の部、いよいよアマチュア・ボールルーム選手権が開始となる。選手達は入場口に並ぶ。ここでも、月とスッポンをみた。対戦相手と自分達は、踊る前からあまりにも違い過ぎ! 選手達は見上げるばかりの長身。よそのパートナーは、うちのリーダーの頭二つ分抜き出ている! しかも美形揃い。一方自分達は、ちんちくりん。しかも、ハゲている。ハゲはさておき、『シルエット対決』においても、自分達とよその選手達とでは、『あひる』と『白鳥』とよぶべきか。(涙……笑)

 ボールルーム選手権では、予想通り最下位の成績。でも本大会で、憧れのA級選手達と一緒に踊らせていただけたことに感謝いたします。挑戦だけが、チャンスを作る! チビ・ハゲカップルは次に開催される新潟県スポーツダンス選手権に向けて、走り出すのであった。(笑)


☆ リーダー:「高いレベル、厳しい環境に身を置くことにより、自分自身が高められる。」
◆ パートナー:「仕事とダンスに応用します!」

著者名 眼科 池田成子