「ああ、また三次予選まで!」
競技会で三次予選を踊り終え、壁に貼り出された競技結果を見た後に、肩を落としながらリーダーは戻ってくる。関東甲信越の競技会C級戦では、ここのところラテンもスタンダードも、三回踊って(三次予選で)敗退。昇級のポイントと成りうる準決勝には届かず。
リーダーは、そんな自分のことを『三回戦ボーイ』と呼んでいる。これは、ボクシング用語からきているとか。筆者はボクシングに詳しくないが、三回戦ボーイとは、3ラウンドで試合を終了する技量の選手のことを指すらしい。ボクシングでは技量に応じて回戦数が決まるらしく、世界タイトルマッチなど、よくテレビで見るのは12回戦。
競技ダンスでは、リーダー(男子)に級(クラス)がつけられる。アマチュアの競技会では自分達を含め、いい年のオジサン・オバサン達が、それ(ダンス)で食べてゆく訳でもないのに、熱く燃えている。あそこで踊っている人達は、競技ダンスの魅力に心を奪われたと言っても、過言ではない。ちなみに自分達にとって、B級選手は『雲の上』の人、A級選手は『神様』だ。
「A級、B級になったら、後は落ちるだけだ。万年C級を楽しんでいる方がいいぞ。」
ダンスホールで練習をしていると、競技を引退したという元アマチュアA級の先輩から、リーダーはからかわれる。来春の試合こそ、うちのリーダーを勝たせてあげたい。からかわれるだけ、彼にはまだ見込みがあると言う事か? パートナーとして、プラス思考で解釈しよう。(苦笑)
著者名 眼科 池田成子