競技会の申し込み用紙に自分の名前を記入しながら、リーダーは何やら深刻そうな様子。
リーダー:「成子さん、大変だ! 近くが見えにくくなったよ。メガネをはずせば見えるけど。目が悪くなったのかな?」
パートナー:「老眼よ。目が悪くなった訳じゃないわ。」
かつて勤めていた病院でのこと。院長先生が得意気に、眼科医におっしゃる。
院長:「私の目は良いですよ。この年になっても、メガネをはずせば新聞の小さな文字が読めます。私は老眼にならなかったのですね。」
眼科医:「……。(それ、立派な老眼です。)」
車の運転免許更新にあたり、視力が足りず。白内障手術を受けて裸眼で1.2に回復された70代の患者さま、眼科医に切実に訴えかけられる。
患者さま:「遠くは見えますが、近くは見えません。手術のせいで、老眼になりました。」
池田医師:「もともと老眼はありましたよ。メガネをかければ、近くもよく見えます。」
読書好きな実家の母上、嬉しそうに娘(筆者)に申される。
母上:「目が良くなったのよ。本を読む時、老眼鏡が要らなくなったの。」
娘:「老眼は自然に治りません。老眼鏡がなくても近くが見えるようになったのは、白内障の始まりでは?」
老眼エトセトラ。皆さま、前述の4例の対話は笑顔でうなずいていただけましたか? 難易度は順に高くなっております。ちなみに老眼とは、老化のため水晶体の弾力性が弱まり、近いところを見る際に網膜にピントが合わなくなる状態をいいます。老眼は40歳前後から始まり、60歳まで進行します。
「はて、老眼とメガネと白内障の関係とは?」
不思議に思われる方も、少なくないのでは?
『眼』は小宇宙。ミステリアスな世界ですよね。(笑)
著者名 眼科 池田成子