社交ダンス物語 76 ダンス遠征 千葉県大会

コラム

 さて、関東甲信越ブロック春期ダンス競技会もいよいよ幕開け。今回の会場は、千葉県の我孫子市(あびこし)。試合前日、糸魚川から高速道路で千葉へと向かった。丁度寒波に見舞われたが、高速道路の両脇は身長の倍はあるかと思われる雪の壁。同じ関東甲信越で、こんなにも違うものなのか? 長野を過ぎると、そこはまるで別世界。2月上旬で、『春』うららだ。
 遠征先の名物を食するのも、ダンス遠征の醍醐味のひとつだ。千葉では何を食べようかと駅付近のネオン街を歩いていると、鳥料理のお店が目に入った。店内に入ると、のれんに坂本龍馬がいた。カウンターには薩摩焼酎の瓶が並んでいる。おすすめメニューは、名物・薩摩知覧鶏の炎の炙り焼。千葉で薩摩?と思ったが、どうやら店長さんが奄美大島出身らしい。早速おすすめのメニューとやらを、注文する。
 店内は軽快なサンバの曲(ちょっとテンポが早い)や、チャチャチャの曲が流れていた。鶏料理においては「新鮮・歯ごたえ・旨味」が三拍子なんだとか。競技ダンスの場合、採点の三拍子といえば「シルエット・ムーブメント・ミュージック」だ。さつま知覧どりは『地鶏の王様』と呼ばれているらしく、近年その味が関西・関東はじめ全国へと知れ渡っているらしい。『競技』は他者との比較で採点されるが、『鶏料理』においてはいかに? 先週末名古屋で開催された手術学会に行ってきたばかりだが、名古屋コーチンvsさつま知覧どり、果たしてそのお味は…?(料理専門家の先生に、お任せします)
 さて、競技会のジンクスといえば、リーダーにとっては『ばくだん(ニンニクのまる揚げ)』を食べることらしい。数年前の埼玉県大会では、試合前夜に居酒屋で食べた『ばくだん』のお蔭で、昇級を決めたと彼は信じている。その日の晩も、しめは『ばくだん』。(笑)
「これだけ臭けりゃ、みんな逃げてゆく! よし、明日は周りをかき散らして踊るぞ!」
『地鶏』と『酒』と『ばくだん』を食して、リーダー君は、まるで桃源郷の境地のよう。
 さて、肝心の試合成績は…? ラテン・スタンダードともに、予選落ち。(涙)
 それから帰路につく。国境の長~いトンネルを抜けると、そこはまさに『雪国』であった。

著者名 眼科 池田成子