病院の講堂には、毎晩のようにダンスの練習に励む40代独身男女の姿あり。二人は時折、ダンス以外の会話も交わしている。
パートナー:「ねえ、結婚って大切な人に与える最高の贈り物ですってよ。ネットのあるサイトにあったわ」
リーダー:「すてきな言葉だね」
パートナー:「あなたも私も、結婚できるのかしら?」
リーダー:「日々精進していたら、きっといつか結婚できるだろう」
それから二人はおもむろにミラーに向かい、熱心にシャドーを踏みはじめた。盆・暮れ・正月なく、『ダンス』に『精進』する二人であった。
著者名 眼科 池田成子