社交ダンスにも、検定試験があることはご存知だろうか? これはアマチュア技術検定試験(メダルテスト)といわれ、3級から始まり、2級、1級、ブロンズ、シルバー、ゴールド、ファイナル、そして最高位がスーパーファイナル級だ。合格すれば、次のクラスにチャレンジすることが出来る。受験者はプロのダンス教師と踊り、プロの試験官により採点評価される。下のクラスほど合格率は高いが、ファイナル、スーパーファイナル級ともなれば、合格率が0%という時もあるという。
さて、この全国統一メダルテストは、新潟県では年に3回行われている。筆者とリーダー君は、このたび開催される第111回メダルテストのラテンの部を受験することにした。筆者は1級、リーダー君はスーパーファイナル級に挑戦。フロアで数組が同時に踊るという点では競技ダンスと同じだが、採点は他者との比較ではなく、個人の技術が一定のレベルに達しているかどうかで評価される。よって競技会のように派手な振り付けを見せても、基本に忠実な踊りをしていなければ不合格だ。
試験当日、長岡みしま体育館の広い観客席(二階席)は人で埋め尽くされていた。これは驚きだ。メダルテストは、『試験』でありがなら、500円を出せば一般の方々も見学自由である。客観的に自分をみると、自分の踊りって本当に不格好で泣けてくる。逆に、おめでたい性格のリーダー君は、プロの新潟県ラテンチャンピオンの先生と同じヒートで踊れると言って、興奮気味。受験生という身分でありながら、彼は競技会さながら顔にどうらんを塗り、ヘアメイクも決めて戦闘モードだ(笑)。
試験では舞い上がってしまい、ステップを間違えて散々であった。筆者の踊りを喩えると…
ルンバ=千鳥足の酔っぱらいのオバサン
チャチャ=赤べこ
サンバ=タコ踊り
パソ・ドブレ=リハビリ歩行訓練
シニアラテンA級の肩書きを持っていながら、メダルテストで無様な踊りを人に見られるのは、こっ恥ずかしい。ダンススクールに通い今日に至るまで、なり振り構わず競技会で踊り(目を覆いたくなるような踊り?)、散々恥をかき尽くしてきたつもりであったが、検定試験でも、まだまだ恥をかく余地があり。ちなみにリーダー君は、スーパーファイナル級にたどり着くまで、何度も試験に落ちて、長い道のりであったという。
「赤っ恥をかいて、ダンスは巧くなるものです」
試験を終えて、コーチャーからそう諭された。雲の上の人と慕っているコーチャーも、アマチュア時代にメダルテストでアタマ真っ白、赤っ恥をかいたという。
人前で踊ってナンボ、見られてナンボの世界において、恥や失敗を恐れては、技術向上はあり得ない。おおいに恥をかきましょう!
「恥」をかく場があることは、ありがたい。
「恥」は栄光へのステップ。
「恥」は技術向上への、肥やしです。
ところで、羞恥心のない人が、文を書く?(笑)
結果報告:おかげさまで、筆者1級合格。
リーダー君、スーパーファイナル級を最高得点で合格。
おめでとう!
著者名 眼科 池田成子