4月29日、新潟県スポーツダンス選手権大会に出場。選手権ともなれば、選手はA級クラス相当であるが、我々カップルが出場するなんて、おとぎ話のよう。クラスが違うだろ! 節操がない! 身の程知らず!と笑われるであろうが、リーダーは堂々としている。それもそう。今までに出た数々の競技会では、なりふり構わず踊り(目を覆いたくなるような踊り?)、これ以上の恥はなしと思える程に、我々は恥をかき尽くしてきた(苦笑)。そして何よりも、憧れの選手達と同じフロアで踊れることは、とても光栄である。
予選落ちを覚悟でシニア選手権戦・ラテンアメリカンを申し込んだ。シニア戦の出場資格は、男女ともに年齢が35歳以上。よって、対戦相手に10代20代の選手はいない。中年の我々にとっては、ありがたい規定だ。
競技種目は「ルンバ」と「パソ・ドブレ」。フロアに立って見上げると、会場の二階席からの観客の熱気が伝わってくる。戦闘服を着て、コロシアムの真ん中に立っているような感覚だ。競技会では『自分が一番』という思い込みや、成りきることも必要である。「僕はマイケル(世界チャンピオン)になったつもりで踊るよ。成子さんはジョアンナ(彼の名パートナー)さんだ!」とてつもない勘違いと思い込みで、とことん成りきって踊る(笑)。
なんと我々カップルがファイナル(決勝戦)に進出!最終結果は6位であった。これは奇跡的である。表彰式の後に、さらに奇跡?(異変)が生じた。自称、モテない男(ダンス物語 第12)のリーダー君が、観戦していた大勢の女性達に囲まれて、褒め言葉のシャワーを浴びているではないか。彼は天にも昇るような、恍惚とした表情だ。一瞬にして、自称モテない君は、モテル男へと変身したのであった。シニア・ファイナリストの肩書きの威力は恐るべき(笑)。
リーダー君、良かったね。
著者名 眼科 池田成子