富山県ダンススポーツ選手権大会に出場。「勝つために、使える武器は全て使え!」と、力強さを出すため肌を黒くするようリーダーから指示される。
試合開始直前、どうらんを顔に塗る。なぜか黒くならない。容器の中身が空になるまで、入念に塗り続けた。しかし、黒くならない。中身が男性用の口紅であることに気づき、仰天する。
ひと騒動の後、いよいよ試合開始。身支度に数時間、踊るのはわずか1分半。まるで糸病の眼科外来の待ち時間と診察のような関係だ。首が縮こまる。
一次予選の採点表が貼り出された。結果は最下位であった。青天のへきれきをくらったが、何と自分たちの背番号を見間違えていたのであった。ほっと胸をなで下ろす。
いよいよ決勝戦進出。ダンス競技では、より美しいペアが勝ち上がる。選手達の表情は険しい。チビハゲ中年カップルの我々に残された武器は、笑顔しかない。「我ここにあり!」笑顔いっぱいの踊りで、自分達をアピールした。
念ずれば、花開く。スタンダード3級戦、優勝!(笑)
著者名 眼科 池田成子