パートナー:「前回のレッスンで、コーチャーから指摘されたわね。私たち、下半身は噛み合ってきたけど、トップラインが狭いって。」
リーダー:「下半身が噛み合うと言えば、ダンスをしない人達には誤解を招くだろうね。想像をかき立てるのでは?」
ここで、誤解を解きましょう。ポールルームダンス(スタンダード)では、男女が半身ずれて組み、一体となって踊ります。男女が一体感を保ちつつ踊り、お互いの頭と頭が離れていればいるほど美しいのです。うちの病院の医局や講堂に貼ってある世界のトッププロのポスターを見ていただくと、頷いていただけると思います。その美しさは、ため息がでるほど。一体感を保ちつつ男女の頭が遠く離れて、ダイナミックかつ優美に移動する(踊る)ということは、理論的には下半身(内股と内股)が歯車のように噛み合ってなければ、不可能。
パートナー:「頭と頭を離すためには、左回転の場合、自分の体を細くうんと左へしぼらなければね。もっと遠く、左へ左へ。」
リーダー:「イテテて…。」
パートナー:「コーチャーが言っていたわ。筋肉使わないと、腰やられるって!あなたも私も病人よ。病人なら、なおさら鍛えなくちゃ!」
競技ダンスの魅力とはなんぞやと問われたら、男と女の、究極の美の追求と申し上げるでしょう。(笑)
☆ Patients be ambitious! (病人よ大志を抱け!)
著者 眼科 池田成子