社交ダンス物語 380 KONOMI

コラム

 スポーツの秋です。後期関東甲信越のダンス競技会は真っ只中。美と技を競い合うボールルームダンスの競技は、他者との比較です。勝ち負けは、タイムやシュートで決まる競技とは異なり、複数のジャッジによる採点の合計で決まります。なお、フィギュアスケートのような減点はありません。
「ジャッジの好みだ。」
競技会で次のラウンドへ勝ち上がれず、ガックリ肩を落としているパートナーさんに、リーダーさんが労いの言葉をかけているのを聞くことがあります。踊りのレベルが同程度なら、どの選手にチェックを入れるかは、ジャッジの好みもありかもしれません。ただし、そう言い切れるのは上級選手。自分たちチビ・ハゲのような下の選手は、ジャッジの好みだなんておこがましい。ベーシック(踊りの基礎)ができているかどうか、音がとれているかどうかで採点されますので。(涙…笑)
 
 ボールルームダンスの場合、踊りにはそのカップルの個性が出ると言われます。男女の愛の駆け引きを表現するルンバを例にとっても、泥臭い踊り、汗と唾が飛び散るような踊り、上品な踊り、透明感のある爽やかな踊りなど様々。どんな踊りが好みか、どんな踊りが見たいかは、ジャッジやお客さまの好みによって異なるでしょう。競技会においては、競技用ドレスも好みが大きいですね。私はラテンのドレスにおいては、チャイナドレスのようにぴたっと体にフィットするシックなタイプが好みです。チビでペチャパイでトリの足のような自分には、それが似合うかどうかは別ですけれど。ちなみに、うちのコーチャーは、ラテンのドレスに関してはスカートの裾がクリンと舞う『可愛い系』が好みのようです。
「池田さんは、イカのようなドレスを着ている…」
コーチャーの好みでない競技用ドレスを着用している時、自分はそうコメントされますね。(冷や汗)
 
 ダンスに限らず、好みは日常の至る所で見られます。田舎人のささやかな楽しみは、地元のスーパーでお買い物をすることとかつて申し上げました。(第311話)そこを取り上げても、好みがあります。マイバスケット派、マイバッグ派、レジ袋を指定している人、ダンボール箱などなど。色々ですね。(第349話)さらにスーパーのレジカウンターでは、セルフ会計機か有人か。支払いはキャッシュレスか現金か。私は有人のレジカウンターで現金で支払っています。有人のレジカウンターは数カ所ありますが、同じ並んで待つのであれば、好みの店員さんが立つカウンターに並びますね。笑顔のステキな女性の店員さんや、パフォーマンスが可愛い若い男性の店員さんなど。ダンスと同じ、そこは見せ場です。お客さんをハピーにしてくれる所。(笑)
 
 最後に、「顔」や「体型」にも好みがあるのは確かですよね。医学生の頃を思い出します。男の人っておっぱいの大きな女性が好みと思っておりましたが、そうではない人もいるのですね。解剖実習で同じクループだった同級生の男の子がそうでした。女の人は乳首さえついていればOKだそうです。(ほっ) なお、同じ医学生で背の高い子が好みという男の子がいましたね。彼が彼女を選ぶ条件とは、自分よりも高身長の女の子。しかもその子にハイヒールを履かせて、自分と並んで歩くところを人に見られることで、優越感に浸れるそうです。その男の子はチビかですって? 身長170センチはありましたね。ちなみに「顔」の好みといえば、筆頭に祖父が挙げられます。祖父の妻(祖母)は色白で、目は丸くて大きくて、鼻はツン。フランス人形のよう。当時は美人さんと、もてはやされていました。ところが、祖父の好みではない模様。
「トモエよトモエ、お前のお母さんは、何て美人なんだ!」
嫁である母に、事あるごとに母方の祖母を褒めていましたね。ちなみに母方の祖母も色白、細い切れ長のつり目です。ああ好み。フランス人形と博多人形、あなたはどちらが好みですか?(笑)
 
 
☆ところで、トイレットペーパーの好みは? うちはダブルのピンク、薔薇の香り。
著者 眼科 池田成子