社交ダンス物語 381 The お米

コラム

 9月、10月は新米の美味しい季節です。皆さま、お米はどこの銘柄を好んで購入しておられますか? コシヒカリですって? ブランド米ですよね。先日、富山市にある実家のお寺へ行ってまいりました。新潟と同じく、富山も米どころです。富山のお米はもちもちと粘りがあり甘く、品質・食味ともに優れ、全国からも高い評価を得ているようですね。富山県で作付されるお米の約7割がコシヒカリだそうです。富山のブランド米といえば、「富富富」(ふふふ)が有名。実家のお寺に帰ったら、お坊さんである弟がカレーライスを出してくれました。手作りの甘口カレーです。コロンとした小さなトリのもも肉が入っていましたね。お米はふっくらしていて美味。富山産コシヒカリと思いきや、予想外の返答が…。
「スーパーで売っている、一番安い米だよ。」
 
 今どきの農家さんはお米の管理がしっかりしているから、新米であればどの銘柄のお米も美味しいのですね。弟はお米を買っているとのことですが、私が子供だった頃は、お寺ではお米を買うということはありませんでした。門徒さんが、お米をお寺へ届けてくれていましたね。
「ほんのちょっとで良いから、新米だけ持ってきて欲しいわ…。」
子供の頃は、母の愚痴を聞かされていました。門徒さんの中には、新米の中に古米を混ぜてかさ増しをして、お寺へ奉納される方がおられました。混ぜるといえば、ダンスのドレスに付ける光る石(ラインストーン)をイメージいたします。スワロフスキーのラインストーンは輝きが抜群、クリスタルのプレミアムブランドです。お米で例えるならば、魚沼産コシヒカリでしょうか。ドレス屋さんがコストを抑えるため、スワロフスキーのラインストーンに中国製もしくは韓国製のお安い石を混ぜて、ドレスに貼付けるという巧技。全てスワロフスキーにはかないませんが、見た目はまずまずキレイですよ。(笑)
 
 さてお米といえば、地主さんであるうちのリーダーは(第166話)、田んぼを貸してお米を作ってもらっています。リーダーいわく、自分は農業が出来ないので、田んぼの管理をお願いしているのだそうです。自分の土地の田んぼのお米は、地主とはいえ毎日リーダーの口には入らないそうです。その理由は、お米が高いから。弟と同じ、スーパーでお安いお米を購入するそうですよ。(笑)リーダー米(勝手にネーミングしちゃいました)は、雪国の清らかな水で育てられた低農薬の特別栽培米コシヒカリです。『Riki-Sakuコシヒカリ』は5Kgで税抜き3千円もする極上銘米だそうです。とはいえ、毎年私はリーダーからお裾分けしてもらっています。ありがたいこと。農家の方が愛情をたっぷり注いで栽培してくださったリーダー米から、元気をもらっています。
 
 最後に、お米といえば日本酒の主原料です。自分は日本酒好き。普段はお手頃価格の日本酒を飲んでいますが、この季節は特別です。毎年秋の名月に合わせて限定販売される、朝日酒造の純米大吟醸『得月』(とくげつ)をいただきます。『得月』は母方に越路早生、父方にコシヒカリの血を受け継ぐ、新潟県産米「ゆきの精」の中心部分を満月のように小さく磨き上げたお酒です。精米歩合は、なんと28%。お酒の雑味の元を、極限まで取り除いているとのこと。玄米を28%まで精米するには、3昼夜の時間を要するそうですよ。お酒の化粧箱に描かれた満月がステキ。その下で鳥獣戯画をヒントに、ウサギが月見しながら宴を楽しんで小躍り(ダンス)しているデザインも、目を楽しませてくれます。食欲の秋、スポーツの秋です。美味しいお米に美味しいお酒があれば、サイコーですね!ダンスしたくなりますわ。(笑)The お米、日本の食文化に感謝!
著者 眼科 池田成子