社交ダンス物語 384 走れ 田舎人! 千葉県大会

コラム

 後期関東甲信越競技ダンス千葉県大会の前日、お昼ごはんは縁起を担いで糸魚川のスーパーで買った新潟名物『タレカツ丼』を食べる。トンカツの肉、薄いっ! モノサシで肉の厚みを測ってみた。2、3ミリ。普通のトンカツとは違う。ダンスと同じ、トップクラスでは個性が重要か?
 
 正午前にリーダーの車で糸魚川を出発。ダンス遠征だ。糸魚川インターから高速道路で千葉へと向かう。午後1時30分、トイレ休憩に小布施のPAへ立ち寄る。お店には見事なリンゴが並んでいた。秋映(あきばえ)が1個500円。観光地料金とはいえ高すぎ! とはいえ深紅色のリンゴは目に飛び込んで来る。「ダンスと同じだ。見た目が肝心。」
リーダーはリンゴを競技選手にたとえている。秋映を1個ゲット。チビ・ハゲ、ダンス遠征で小布施を通る際は毎回、縁起担ぎに栗ソフトを食べていた。(第15話、第36話、第49話)15年前は300円であった栗ソフトは、今や550円!チビ・ハゲ、今回は栗ソフトを断念する。(涙)
 
 午後2時25分、横川のSAで休憩をとる。こちらも果物売り場でリンゴが販売されていた。品種はシナノドルチェ。お客さん達の会話が聞こえてきた。
「リンゴが1個380円もするんだ〜!」
「有名なリンゴだからね。」
「知らないなあ〜。」
チビ・ハゲ、関東甲信越のダンス競技会で、「そんな選手知らないなあ〜」と言われたら、ちょっとサムイ?(木枯らしマーク)
 
 午後3時06分、甘楽のPA付近を走る。
リーダー:「何で車線が3本もあるんだ?」
パートナー:「都会だからよ。」
さらに上信越道から関越道へと入る。
リーダー:「車線が4本もあるっ!!」
北陸道では車線は2本。コワいので田舎人は、ゆずり車線をゆるゆると慎重に運転する。午後3時36分、嵐山を通過。午後4時25分、大泉JCTへ。そこで田舎人はまたもや仰天する。
リーダー:「ETCゲートが10ヶ所以上もある! どこで降りたらいいんだ?」
そして外環三郷首都高方面へ。
リーダー:「都会はコワいよ〜」
競技会で踊っている時と同じ? ハンドルを握るリーダーの表情は緊迫している。和光北ICでは、田舎ではありえへん渋滞に巻き込まれた。
リーダー:「車線がなくなるっ!」
そう、都会の高速道路では左端を走っていると、途中で道がなくなってしまうのだ。(ムンクの叫びマーク)田舎人、うかうかしていると路肩に取り残されてしまう。命懸けでウインカーを出して、右車線へ…。
 
 車を走らせること5時間近く、案内標識には千葉の地名は出てこない。本当に千葉に着くのか? 一抹の不安を感じながら田舎人は走る。午後4時57分、常磐道にて柏・水戸の標識を発見!(ほっ)午後5時03分、やっと千葉県に入った。5時08分に柏ICを降りて国道16号に入る。柏市内の国道沿にはボルボやベンツ、アルファロメオやポルシェの巨大でハイカラなビルが立ち並んでいる。糸魚川とは別世界だ。
リーダー:「うわぁ〜 お店にベンツがいっぱい。ベンツだらけだ!」
糸魚川ではベンツは見かけない。都会では、ベンツに乗る人がごまんといるのか? 国道沿いのかっぱ寿司、餃子の王将、マクドナルドの前を通った。それらの飲食店の広い駐車場には、見渡す限りポルシェやベンツは一台も見かけない。
 
 午後5時50分、目的地の柏のルートインに到着。チビ・ハゲ、お夕食はホテルのレストランにて、縁起を担いでトンカツを食する。ルートインオリジナルのカツカレーだ。こちらはトンカツの肉は分厚く1センチ以上ある。お昼もカツ、夜もカツ、気分が高揚してきた。
リーダー:「成子さん、明日は決勝に入って、戦利品(千葉の地酒)で乾杯だ!」
 
 さて、肝心の試合結果は…。ラテン、スタンダードともに予選落ち。(涙) 早々に糸魚川へ向けて猛スピードで敗走する。首都高を敗走の際も競技会さながらフロアクラフトを意識。4車線という緊迫した状況の中、糸魚川へ向かって車を走らせる田舎人ことチビ・ハゲであった。(涙…笑)
 
 
☆ ダンス遠征の戦利品(?)を食して…
リーダー:「リンゴはやはり秋映だ!」(笑)
著者 眼科 池田成子