パートナー:「なんで生徒さん達は、黒い服ばかり着ているの?」
リーダー:「カラーや模様の服は、数日前に着ていた服と同じと思われるからじゃないかな? 黒なら着回してOKだからね。」
パートナー:「あなたも私も練習着は黒が定番ね。」
リーダー「この人は、黒しか着ないと思われているかも。」
パートナー:「砺波のダンスホールのお客さんも、圧倒的に黒を着ている人が多いわ。女性も黒のパンツスタイル。ホールは黒ずくめよ。なぜ黒なのか聞いたら、黒しか似合わないからですって。」
リーダー:「黒が似合う女性は素敵だよ。ダンスは同じ服を何着も持っている人は多いよね。」
パートナー:「そうね。職場では、私は黒いタンクトップとダンススパッツの上に、白衣を着ているの。白衣を脱いだら、すぐにダンスできるわ。ほぼ365日同じスタイルよ。気に入った黒のスパッツはまとめ買いして、10着以上持っているわ。」
リーダー:「成子さん、オシャレだね。」
パートナー:「なぜ黒なのか、お教室の先輩に聞いたの。ダンスで花柄模様やカラフルな色の服を着ていたら、野暮ったく見えるからですって。」
さあ、レッスンを始めましょうと、コーチャー(女先生)は笑顔です。あら、女先生も上から下まで黒。いつも定番の黒いパンツ姿です。
パートナー:「先生、何でお召し物は黒なのですか?」
コーチャー:「痩せて見えるからです。」
こよなく『黒』を愛する中高年の皆さま、本音はそうなの?
コーチャーがお教室を始めた40年前は、生徒さんたちは皆さんカラフルな色の服で、女子はミニスカートだったそうです。今や男生徒も女生徒も黒いトップスに黒のボトムが定番。時代で随分変わるものですね。ダンス界を問わず医療界もそう。自分が医学生だった40年前は、医師も看護師(当時は看護婦)もユニフォームは白一色。看護婦さんは白いナースキャップを被り、白いスカートからは白いストッキングが覗いていましたね。ああ、白衣の天使! 今ではナースキャップ廃止。スタイリッシュな医療用パンツにカラー豊富なナースウエアです。若いドクターも、動きやすくてカラフルな医療用スクラブ(ドクターウエア)で活躍してくれています。
パートナー:「ところで、今どきエリ付きの丈の長い白衣を着ている医者って、『昭和人』の象徴かしら?」
リーダー:「?? それって成子さんやY院長が着ている白衣のこと?」
著者 眼科 池田成子