B級選手は『雲の上の人』、A級選手は『神様』…・
F級、E級、D級、C級時代は、そう拝んでいました。(第114話)そんな自分達も本年度からは、B級選手と同じ土俵で踊らせていただけるのです。感無量ではありますがチビ・ハゲ、一次予選敗退、しかもゼロチェックが想定されます。ほぼ確定? 男女が組んで踊る競技ダンスでは、ジャッジは男しか見ていないと言われます。
『人間は、負けるとわかっていても、戦わなければならない時がある。だから、たとえ負けても勝っても、男子は男子なり。勝負をもって人物を評することなかれ。』
これは旧一万円札、福沢諭吉の言葉。勝つことではなく、参加することに意義があるのですね。
とは言ったものの、競技選手ならば、どなたも頷いてくださるでしょう。競技は参加することに意義があるとはいえ、一次予選ゼロチェックは、あまりにも寒い。寒すぎ!(ムンクの叫びマーク)
試合前日、リーダーの車で糸魚川から栃木へと移動しました。夜は栃木市内にある馴染みの居酒屋(第371話)へ向かいました。明日のボールルームB級の初陣に備えて、小一時間でお店を切り上げる旨を予約の際にママに伝えてあります。お料理はお店まかせ。カウンターに座って間もなく、お鍋が出てきました。えっ? いきなりお鍋? これはマスターの計算なの? しかもボリューム満点のあんこう鍋。あん肝とお野菜がふんだんに入っています。新潟から来た吞ん兵衛は、お店に入って20分足らずで満腹にさせられました。
「おじやにします。」
お鍋の中身が少なくなるや否や、ママはお鍋をさっと下げて、すかさず雑炊として提供してくれました。(お酒の入る胃袋がないよー!)お夜食にと、ママお手製の焼おにぎりを持たせてくれました。
16年という長い歳月、C級に身を置いていたチビ・ハゲです。このたびボールルームB級の試合に出場させていただき嬉しい反面、どんなにストレスを感じるかと思いきや、ストレスフリーで感激! なぜって? それはフロアでぶつからないのです。試合で激しくぶつかり合うといえば、F級時代のスローが最たるもの。ぶつかると分かっているのに、選手達はイノシシのように真っ直ぐ突進してきます。青あざは作るわ、脳震盪を起こす寸前もありましたね。下のクラスでは、怪我はつきものです。(第25話)D級、C級の時も、後ろから追突、選手同士の衝突は絶えませんでした。「お願いだから、近づかないで!」と心の中で叫びながら踊っていましたね。(第343話)下のクラスは焦って、我先にとぶつかってくるのに対し、上級選手はそこにとどまって待っていてくれるのです。B級戦、感激いたしました!「ありがとうございます。」と、頭を下げたくなりますね。そこは安心して踊れる所。
このたびのボールルームB級の初陣で実感したこと。それは、上級選手は踊っていて接触が予測されたら、とまるもしくは方向を変えてくれること。BとCの違いを明記するならば、修羅場で「とまる」「方向を変える」ことが出来るのはB、出来ないのがC。
「チビ・ハゲ、偉そうにうんちくをたれるな! 試合結果はどうだった?」
はい、ご報告いたします。一次予選ゼロチェックではありませんでした! チビ・ハゲ、二次予選もフロアで踊らせて戴けました。試合前夜の居酒屋にて、新潟から来た吞ん兵衛に、心を鬼にしてお酒をセーブしてくれたマスターとママのお心遣いに感謝!
春の全国交通安全運動の季節です。2、3秒の一時停止が啓蒙されています。ダンスをする人もしない人も、接触事故ゼロを目指しましょう!(笑)
著者 眼科 池田成子