社交ダンス物語 327 阿吽の呼吸

コラム

 阿吽(あうん)の呼吸とは、二人以上で一緒に物事を行う際に、互いに息が合っていることを表す用語ですね。言葉がなくても意思の疎通ができており、タイミングや間合いがお互いに一致している状態を指します。「阿吽」は仏教用語の「真言」(仏の真実の言葉)で、語源となっているのは、サンスクリット語だそうです。
 
 さて、「阿吽の呼吸」といえば、自分にとってはボールルームダンスがその代名詞(笑)。ラテンにしてもスタンダードにしても、二人の呼吸やタイミングが合っていなければなりません、一体感のある踊りが求められますので。先日、うちのリーダーとサンバのレッスンを受けている時、コーチャーから指摘されたこととは…。
「あなた達の踊りはバラバラ。まるで二人で運動会です。」
基本に帰りましょうとのこと。互いに向き合い両手を合わせて、手に圧力をかけあい、リズム・バウンスするよう指導されました。サンバのベーシックです。

 その日のレッスンを終えて、帰宅して何気にリビングの窓を見たパートナーは愕然!
「汚いっ!」
網戸の汚れがスゴイことに気づきました。トリの糞? 網戸用クリーナーで拭きましたが、汚れは一向に落ちません。使用方法を良く読むと…
● シートを2枚取り出し、網戸をはさむようにして両側から網戸を拭いて下さい。
そこで2枚取り出し、両手を使って両側から網戸をはさみ拭いてみました。汚れは落ちますが、コツが要ります。それにしても、うちのリビングの窓は高さ1メートル90センチ、幅3メートル40センチ。地道に一人で拭いていたら、明後日になってしまう?
「一石二鳥だわ!」

 リーダーに、出動要請が…。
パートナー:「今日のレッスンのおさらいよ。これを持って、ベランダに立ってちょうだい。」
リーダー:「え?」
網戸をはさんで、パートナーは部屋側、リーダーはベランダ側に立ちました。互いに網戸クリーナーのシートを手にして、圧力をかけ合いながらサンバのリズム・バウンスです。
「ワン・ア・ツー、スリー・ア・フォー」
パートナー:「呼吸もタイミングも合っていない。それじゃ、汚れは落ちないわ!ダンスもうまくならないわよ!」
リーダー:「はいっ!」


☆阿吽の呼吸。網戸、ピカピカになりました。(笑)

著者名 眼科 池田成子