自分はお肉を焼くのが下手です。
「肉も焼けないの?」
読者の皆様から笑われるかもしれません。でも、自分にとって、フライパンでお肉を焼くのは、とても難しいのです。家庭用のフライパンでステーキを焼いたら、必ずといって良いほど失敗しますので。お店のような美味しいレアを目指して、肉の表面を強火で焼いても、焦げた表面から美味しい肉汁が出てしまい、お肉は真っ赤に…。レアは難易度が高いなら、ミディアムと思いきや、今度はカチカチになってしまいました。(肉は、硬いゴム片と化す) そこで、失敗しないステーキの焼き方をネットで検索。そこに紹介されているステーキの焼き方は、様々であることに驚きました。
家庭用のフライパンで美味しいステーキの焼き方、おすすめの肉の厚さは1-1.5センチだそうですね。焼く30分前には、冷蔵庫から肉を出して常温に戻す。筋の部分があれば、切れ込みを入れる。下処理は入念に。肉の表面の水分を拭きとり、焼く直前に塩、胡椒をふる。フライパンは煙が出るくらい強火で熱する。牛脂を使うと風味が移り、安い肉でも美味しくなるそうですね。そこまでは、どの教科書に書いてあることも同じです。問題はお肉の焼き方です。表は強火、裏は弱火にしてフタをするやり方や、表も裏も強火で焼いて取り出し、アルミホイルで包み5分間置くなど。どれが正解なの? ちなみに、どのやり方で肉を焼いても、自分は失敗します。(涙)
「どうしたら、おうちで美味しくお肉が焼けるの?」
鉄板焼きのお店で、目の前でお肉を焼いてくれているシェフにたずねました。シェフはニコニコ笑っています。美味しいステーキを食べたければ、うちのお店へいらっしゃいとばかりに。あまりにも客がしつこく肉の焼き方を聞くので、お店の人はコツを教えてくれました。焼いている途中で、肉をしばらく寝かせなさいと。(火を止めて、そのまま肉を置いておくの?)普段はスーパーのお肉ですが、たまには自分へのご褒美に、お肉屋さんでステーキ用の国産黒毛和牛を買います。ゴム片になったら、泣いちゃう! そこで、お店の人にお肉の焼き方を入念に聞きます。
「フライパンを強火にして、肉にブランデーを振りかける。火でアルコールをとばす。」
仰せの通り、大胆に肉にアルコールを振りかけました。ぼわっと炎上。(コワすぎ!) マンションの賃貸のお部屋の火災報知器が、危うく作動するところでした。
どのやり方で? お肉の焼き方ばかりでなく、ダンスの練習でルンバウォークをしている時も、常に考えています。ルンバウォークが出来ないのは、やり方が分かっていないからと言われます。正しいルンバウォークとは? そのやり方は? 先生によって、ルンバウォークの指導は異なります。
「内もも、内かかとを意識!」
「肛門に紙を挟んだら、その紙を落とさないで歩くイメージで。」
「パンティーラインを、キュッと上に引き上げる感覚…。」
生徒によって捉え方、受け取り方は違うでしょう。ダンスにおいて教える側は、沢山の引き出しを持っているコーチャーが素晴らしいとされています。テクニックを教えるにしても、その表現は多彩です。ちなみに、教えるという視点では、お坊さんは凄いですよ。元・寺の娘は語ります(第289話)。競技ダンスと同じです。お坊さんは制限時間内に、人を引きつけなければならない職業です。老人、子供、女、男、お金のない人、お金のある人、病人、健康な人を問わず、人をみて法を説く!
☆ 十人十色(じゅうにんといろ)。手術のご説明、10人の患者さまがいらっしゃったら10通りです。お肉の焼き方、自分なりに模索します。(笑)
著者名 眼科 池田成子