皆さま、新年あけましておめでとうございます。
「コロナ禍で、何が目出たい!」
「孫にも会えない!」
新年早々読者の皆さまから、お叱りを受けそうです。感染拡大地帯との往来はひかえるよう、政府は私たちに呼びかけています。コロナのため、年末年始は里帰りを断念なさったという方もいらっしゃると想像されます。
「帰ってこなくていいぞ!」
田舎に住む親御さんが、都会に住んでいる息子さんや娘さんに、そう呼びかけているというお話も聞きました。表向きは帰ってこなくて良いとおっしゃる親御さんのお気持ち、お察しいたします。(涙)
さて里帰り、移動手段といえば、新幹線が多いのではないでしょうか? 私の住んでいる糸魚川市も、実家のある富山市とは新幹線でつながっています。自分の場合、移動にはマイカーを使います。マイカーと言えば、駐車場(青空駐車)へ行くと、ぎょっとするのですよ。真冬というのに、自分の車にはショウジョウバエなど無数の小さな虫が、むらがっているのです。アリもいます。虫が集まるからでしょうか? サイドミラーには蜘蛛が巣をはっています。ちなみに、同じ駐車場内に停めてある他の車には、虫は見られません。虫がむらがっているのは、自分の車のみ。車のドアを開けるやいなや、虫たちはパーッと車内へ入ってきます。(アンビリーバボー!自分の車って、そんなにクサイの?)洗車しても、いたちごっこです。
なぜ自分の車にだけ、虫が付くのでしょうか? その謎が先日解けたのです。筆者と同じ、昭和40年代以前のお生まれの方なら、うなずいていただけると思います。『ハエトリリボン』をイメージして下さい。
「なに、それ?」
平成生まれの方にとっては、歴史的産物? ハエトリリボンとは、ハエを獲るための誘導剤を含む粘着性物質を塗った紙のことです。かつては田舎の民家や八百屋さん、魚屋さんなどで、天井から吊るされていました。知る人ぞ知る、ハエトリリボンの色は黄色。ちなみに自分の愛車(トヨタのヴィッツ)の色はルミナスイエロー、つまり鮮やかな「黄色」です。日本の虫が好む色は、黄色だそうですよ。色で誘導されると言えば、クッションドラムやダンスのドレスも同じ?(第265話)これで納得いたしました。黄色、オソルベシ。(笑)
里帰りから、話が脱線してしまいました。実家のある富山から、ルミナスイエローの富山ナンバーの車を走らせ、県境を越えます。断崖絶壁、天下の険『親不知』の海の上の高架橋を渡り、いくつものトンネルを抜けて、糸魚川インター出口の緑の標識に吸い込まれるかのように高速道路を降ります。ゆるやかな坂のカーブを下り、糸魚川市内へと入ります。すると海と山、のどかな田舎道、緑色の文字で『糸魚川総合病院』と表示された建物が見えてまいります。なぜでしょうか? いつもの見慣れた光景に、新鮮さを感じます。そして私はほっとするのです。ああ、帰ってきたのだと。私にとって糸魚川は、『第二の故郷』と呼べる所。愛する糸魚川のために、そして愛する糸魚川の患者さまのために、眼科の池田はコロナに負けずまい進する所存でございます。読者の皆さま、糸魚川総合病院に、本年度も変わらぬご愛顧を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
リーダー:「成子さん、糸魚川に22年間住んでいて、なぜ富山ナンバーなの?」
パートナー:「平日に病院を抜け出して、市役所へ行けないから。」
著者名 眼科 池田成子